お盆の季節も近づき、夏休みも中盤から終盤といった様相を見せてきました。この季節、行く先々の綺麗な風景、出会った人々などの写真で、携帯電話やカメラのメモリーはパンパン、という方も多いのではないでしょうか?
今では写真は小さな記憶媒体に収まるようになりましたが、反面、そのまま永久の眠りにつかせてしまう方も少なくないと言います。
そんな世の中に一石を投じるように数年前から現れた、PCやスマートフォンで作れる安価な
フォトブック。スマホ等にあるデータをそのままはめるだけの手軽さから、現在ではサービスによっては年間数百万冊の注文があるそうです。長く残す従来のフォトアルバムとはまた違う、毎日でも見返せるもっと身近な存在になってきているのでしょう。
今回はそんなフォトブックの広告を想定して2案作成いたしました。
※クリックすると大きなサイズでご覧いただけます。
使用する写真は共に子供をメインにセレクトしました。これまでに比べるとさほど受け手側の属性に関わらない内容かと思いますので、どうぞご自身の直感でお選びください。
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さて、今回はA案B案それぞれに対して「広告をどのようなカラー(雰囲気)にするか」というテーマを念頭に、それを表現する軸の一つとして
ライティング(照明)を重視しました。
光の色や差し方がどのように広告の印象に影響するか比較してみましょう。
Aは
「暗めのライティング」を基準に選びました。
極端に暗い・明るいライティングからは人は自然と『場面設定』を感じ取ります。今回の「低い位置から指すオレンジの光」からは『夕暮れ』、つまり
『時間帯』が演出として設定されている状態になり、写真の持つ機能の中でも「連続した時間の一部」という面が強まります。
「夕飯前に遊んでいるところかな?」「一日遊びまわった最後かな?」…などなど、この瞬間に至るまでの道程を自然と想起させることで、
経験や感情に訴えかける抒情的な効果を狙いました。併せて、メインコピーも音をキーに映像的なワンシーンを演出する方向で作成しています。
こうした時間の流れやバックグラウンドを想像させる写真は
ストーリー性を重視したブランディングに向いていますので、今回のフォトブックの例であれば、イヤーアルバムやウェディング等特別なメモリアルフォトとしての訴求に強い力を発揮するでしょう。
Bは
「ベーシックなライティング」を基準にセレクトしました。
被写体全体に光が当たったはっきりとした写真は、私達の日常の視界の状態に近く、特殊な属性を感じさせないため、フラットな場面設定にすることができます。
これにより
写っているものそのものに意識が集まるため、「アピールしたい商品」とマッチした写真のセレクトが重要になってきます。今回のように子供の素材を使った場合
『ファミリー向け』をA案よりも強く印象づけることが出来ますので、「子供の成長を逐一収め何冊も作り貯めることを前提としたファミリー向けフォトブック」等といった商品と相性が良いと思います。よってこちらのコピーは親子らしさに比重を置きました。
また、A案に比べると
表情やポーズなどの細部が目立ちますので、写真のクオリティにも気を付けたいところです。今回は頬の丸みや指のもちもち感など、子供の可愛らしさが強調されるパーツを重視して選びました。