企業活動において、環境に負荷をかけない、持続可能な成長こそが企業にとって長期的な利益に貢献するとした考えが広がっている中、このような企業活動の変化を見据え、《imagenavi》では長年培ってきたノウハウを活かし、ビジュアルソリューションの提供を行っております。
本コーナー「CREATIVE VOTE」では、SDGs×クリエイティブ制作にまつわる様々な『投票』を集め、デザイナーやマーケティング担当者の皆さまの販促活動に役立つ情報について発信してまいります。
今回はSDGs17の目標の中から「4.質の高い教育をみんなに」に焦点を当て、小学生〜高校生の子どもを持つ保護者245名を対象に「学習塾・習い事のマーケティング・広告に活用するためのアンケート調査」を実施しました。
学習塾や習い事教室の広告に関するABテストから見えてきた興味深い結果とは…?
─ 検索結果のサマリ ─
フォローしてもらえるのは「テキスト」より「写真」 |
❶投稿のテーマをわかりやすく文字で訴求 ❷背景のイラストは母親向けに明るく柔らかいテイストに |
❶文字情報は控えめにして、一目で伝わる写真を使用 ❷写真は塾の取り組みや子どもの様子が見えるものを選定 |
仮想の塾のインスタグラムアカウントを想定し、投稿画像に載せた文言は同じ状態で、テキストを主軸としたものと写真を主軸にしたものに分けたものの内、フォローしたいと感じるアカウントはどちらかを質問しました。
結果は約7割の保護者が「写真」を使ったアカウントを選択し、タイトル文字の見易さや分かり易さよりも、具体的な内容を表す写真の投稿が支持される形となりました。
目に見える形の写真で伝えることで、自分の子どもがどのように教室と関わるか想像しやすくなりますね。
支持されたインスタグラム広告の写真は「仲間と一緒」のイメージ |
❶仲間と協力して取り組む=協調性やチーム力の向上を訴求 ❷小物にはアイコニックなプログラミングロボットを使用 |
❶一人で集中して取り組む=集中力や技能の向上を訴求 ❷小物には汎用性の高いタブレットPCを使用 |
仮想のプログラミングスクールのインスタグラム広告のABテストでは、「受講内容に取り組むシーン」というお題のもと、仲間と協力しながらロボットを組み立てるシーンと、一人で集中してタブレットをタップするシーンを用意しました。得票数に大きな差はみられなかったものの、仲間と協力する写真に票が傾き、協調性やコミュニケーション能力を重視する今の保護者の価値観が反映されました。生徒の顔がしっかりと見える構図やロボットというわかりやすいアイテムが使われていたことも支持される一因になったと推測します。
クリックしたくなるのは「仲間と楽しげに笑う」イメージ |
❶一人の少女のアップ写真で注視力向上を狙うとともに、全体の落ち着いた雰囲気で知的な印象を演出 |
❶複数の子どもが手を取り合い、賑やかさや楽しさを表現。背景のグリーンと白いトップスで爽やかさもプラス。 |
仮想のこども英会話教室を想定したバナー広告のABテストでも、仲間と一緒に映るシーンが一人のシーンを僅差で上回りました。本項では「希望を感じる前向きなシーン」という抽象的なお題のもと、「一人の少女が未来を見据える落ち着いたテイストの写真」と「仲間たちと手を取り合って楽しげに笑う元気なテイストの写真」の2つを用意しましたが、やはりここでも協調性の高さを感じるイメージが選択される形となりました。
学習塾・習い事に期待することでは「学力・体力・技能の向上」をあげる保護者が最も高かった(次項アンケート参照)一方、写真から受ける第一印象では仲間との交流が感じられるイメージに誘引される心理傾向が浮き彫りとなりました。
学習塾・習い事にもっとも期待することでは、「学力・体力・技能の向上」と回答した人が半数以上を占めました。販促活動においてはこの点の効果や実績のPRは不可欠であることがわかります。
学習塾・習い事に通わせる際に不安に感じることは「期待した効果が出るか」が最も多く、次いで「継続できるか」「金銭面で負担にならないか」が続きました。こうした不安を解消する手段を用意・訴求することでエンゲージメント率の向上が期待できます。
学習塾・習い事に通わせたいと感じたきっかけでは、「子どもが興味を持った」が53%で最も多く、子どもの意思を尊重する親心が見える結果となりました。体験教室や説明会を実施するなど、子どもの興味関心を獲得するための施策を用意することが効果的であることがわかります。
※上記は「当てはまるものがない」と回答した68名を除く177名の回答の割合
教室を知るきっかけとなったのは「インターネット検索」が28%でトップ、次いで「紹介・口コミ」「検討前から目にして知っていた」が続きました。WEB・アプリ・インターネット検索・テレビ・SNSを合わせた「オンライン」層は44%だったのに対し、紹介・口コミ・店頭での勧誘・以前から目にして知っていた・チラシ・掲示物を合わせた「リアル」層は56%だったことから、宣伝活動においてはインターネットに加えて既存会員へのインナーキャンペーンを行ったり、道行く人の目に留まるための屋外広告を設置するなどオンラインとリアルを組合わせることが効果的であることがわかります。
これから教室を探す場合も、「インターネット検索」が1位となりました。ただし、「紹介・口コミ」の回答も次点に続くことから、前述した通りオフラインでの宣伝活動も並行して行うことがより集客につながると考えられます。
家庭で利用している学習用のデジタル製品では「パソコン」「スマートフォン」「タブレット端末」が全体を大きく占めた一方、利用していない層も一定数見受けられました。オンライン授業の実施を検討される際は、事前に自宅の環境調査を行う必要がありそうです。
教育のための情報収集の手段としては「インターネット検索」が首位だった一方、「情報収集はしていない」層も多く見受けられました。能動的に情報収集するというよりは、テレビや身近な人との会話など、生活の中で自然と情報を得ていると推察されます。