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SDGsとは?
企業の広告事例から学ぶ
コミュニケーション戦略
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公開日:2021年12月28日
更新日:2022年01月31日

2015年の国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)。
この取り組みを推進することで企業が得られるメリットと、取り組みを伝えるための広告事例をご紹介します。SDGsに関わるコミュニケーションを推進する上での注意点、参考サイトもあわせてご紹介します。

【目次】
“SDGs(持続可能な開発目標)”とは?
“SDGs”に企業が取り組む4つのメリット
“SDGs”への企業の取り組みを発信する意義とポイント
“SDGs”への取り組みを伝える方法・メディア
“SDGs”広告・マーケティング事例【17の目標別】
SDGsコミュニケーションの注意点
SDGsコミュニケーション参考ページまとめ
まとめ

“SDGs(持続可能な開発目標)”とは?

2015年9月の国連サミットで採択※された国際目標です。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すことを目的としており、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。通称「グローバル・ゴールズ」とも呼ばれています。環境問題、経済発展、貧困など地球規模の社会課題の解決にむけて、各国の企業、自治体、そして個人が参加可能です。
※2015年9月25日第7回国連総会「採択持続可能な開発のための203アジェンダ」で採択されました。

【SDGs(持続可能な開発目標)の意味】
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」を指します。それぞれの単語の意味は次の通りです。

Sustainable(サスティナブル)=持続できる、耐えうる、支持できる
Development(デベロップメント)=開発、発達、発展
Goals(ゴールズ)=目標、目的、行く先

【SDGs(持続可能な開発目標)を構成する要素】
Goalsとある通り、SDGsは17の大きな目標と169のターゲットで構成されています。そしてそれらの進捗を測定するための具体的な指標として、247(重複を除くと231)のグローバル指標が存在します。

【SDGs(持続可能な開発目標)17の目標】
SDGsを構成する17の目標は以下の通りです。

目標1.貧困をなくそう
目標2.飢餓をゼロに
目標3.すべての人に健康と福祉を
目標4.質の高い教育をみんなに
目標5.ジェンダー平等を実現しよう
目標6.安全な水とトイレを世界中に
目標7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
目標8.働きがいも経済成長も
目標9.産業と技術革新の基盤を作ろう
目標10.人や国の不平等をなくそう
目標11.住み続けられるまちづくりを
目標12.つくる責任、つかう責任
目標13.気候変動に具体的な対策を
目標14.海の豊かさを守ろう
目標15.陸の豊かさも守ろう
目標16.平和と公正をすべての人に
目標17.パートナーシップで目標を達成しよう

“SDGs”に企業が取り組む4つのメリット

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企業がSDGsに取り組むことは、目標達成を加速化するために非常に有効です。では、企業から見たときに、SDGsに取り組むことでどのようなメリットが得られるでしょうか。

【選ばれる存在になる】
あらゆる商品・サービスの競争が激化する中、社会や環境問題への取り組みを推進することは、消費者の共感を生み出すことに繋がります。商品やサービスが選ばれるための必須条件として今後ますますSDGs推進の流れは加速するでしょう。

【資金調達に影響大】
企業がSDGsに取り組むことはESG投融資※の側面からも効果的です。世界のESG投資額の統計を集計しているGlobal Sustainable Investment Reviewによると、2020年の全世界の資産運用残高に占めるESG投資の割合は、約35.9%にのぼったとされ、今後も影響力が高まる見込みです。
※ESG投融資とは、環境、社会、企業統治に配慮する企業を重視・選別して行われる投融資のことです。

【生産性向上・業務効率化】
社内で「働きがい」「ジェンダー」「健康と福祉」などの目標にちなんだ職場環境の整備・良化を進めることで生産性向上や業務効率化に繋がります。「えるぼし認定」※「くるみん認定」などの厚生労働省認定企業を目指すのもよいでしょう。
※えるぼし認定のために必要な「一般事業主行動計画」の策定は、2022年4月から、常時雇用する労働者数が101人以上300人以下の事業主も義務となります。

【ビジネスチャンスに効果大】
既存の自社ビジネスとSDGsへの取り組みを組み合わせることで、これまでなかった新しいサービスを作り出すことができるかもしれません。

“SDGs”への企業の取り組みを発信する意義とポイント

前述した通り、社会や環境問題への取り組みを推進することは、消費者の共感を生むことに繋がります。ぜひ、自社のステークホルダーに知ってもらうための発信を積極的に行いましょう。

発信するためのポイントは以下の通りです。
・誰に伝えたいかを意識する
・どのメディアで伝えるのが効果的かを考える
・適切な表現をしているかに留意する

“SDGs”への取り組みを伝える方法・メディア

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次に具体的に取り組みを伝える方法とメディアはどのようなものがあるか、見ていきましょう。特に幅広い層への認知拡大を狙いたい時は外部メディアを積極的に活用することが有効です。

【伝える方法】
・経営戦略や中長期戦略に組み込む
・自社商品やサービスに取り入れる(認定マークの掲載やエコ商材の活用等)
・プロモーション、キャンペーンを実施する

【メディア】
・公式ホームページ
・SNS(Twitter、Facebook、Instagram、Youtubeなど)
・プレスリリース
・テレビCM
・サステナビリティレポート
・会社案内・パンフレット
・企業広告

“SDGs”広告・マーケティング事例【17の目標別】

では、実際にSDGsに取り組む企業は、自社の取り組みをどのように発信しているのでしょうか。
17の目標別に、大企業・中小企業の広告事例をご紹介していきます。

※掲載していない目標については、今後追加予定です。

【目標4.質の高い教育をみんなに】

株式会社北海道日本ハムファイターズ
「グラブを本に持ちかえて」

 
 

画像引用:グラブを本に持ちかえて|株式会社北海道日本ハムファイターズ
https://www.fighters.co.jp/expansion/csr/glove/
※掲載許可をいただいています。

馴染みの北海道日本ハムファイターズの選手たちがそれぞれのおすすめ本を手にした写真が親しみを感じる本コンテンツ。多くの人々に読書を通じて知識を深め、豊かな心をはぐくんでもらうことを目的として、北海道日本ハムファイターズが2014年から毎年実施している読書促進活動の2021年推薦図書リストのビジュアルです。写真、イラスト、SDGsアイコンを交え項目分けすることで、こどもから大人まで幅広い世代に伝わりやすい表現に仕上げています。本取り組みの内容については、北海道日本ハムファイターズのHPに以下のように紹介されています。

今年は選手、マスコットたちが推薦するSDGs(持続可能な開発目標)関連絵本のリストを作成。伊藤大海投手やB☆B、稲葉篤紀スポーツ・コミュニティ・オフィサー(SCO)らが推薦理由を副えてお薦めの20冊を挙げています。今後、北海道教育委員会と札幌市教育委員会を通じて北海道内の図書施設や教育機関に配布され、企画展示、印刷物への掲載などに役立てていただきます。
また活動の一環で、札幌ドームでの試合開催日にご家庭などで読み終えた本を引き取り、「一般社団法人北海道ブックシェアリング」(荒井宏明代表理事)へ寄贈する「読み終えた本をみんなでシェア」を今年も実施いたします。

テキスト引用:読書促進全道キャンペーン「グラブを本に持ちかえて」2021 推薦絵本リスト作成と「読み終えた本をみんなでシェア」実施について|株式会社北海道日本ハムファイターズ(2021/07/19公開,2021/12/20引用)
https://www.fighters.co.jp/news/detail/00003373.html

今年のテーマにSDGsを選択した理由について、北海道日本ハムファイターズ広報部によると「環境や差別、貧困などの問題をわかりやすく伝えている絵本は多くあり、SDGsへの関心をご家庭などで高めていただくきっかけにしてもらいたい」との思いがあったそうです。

推薦図書リストの配布を行った各施設では、リストを活用した書籍展示や読書イベントなどが開催され、ファイターズファンにとどまらず、地域の人々の読書やSDGs普及のきっかけづくりに貢献しているほか、試合日に書籍を引き取るというユーザー参加型のリアルイベントと紐づけることで、取り組みのさらなる理解促進と地域の図書環境改善に繋げています。本取り組みの概要や実績については下記をご参照ください。

参考1:グラブを本に持ちかえて|株式会社北海道日本ハムファイターズ
https://www.fighters.co.jp/expansion/csr/glove/
参考2:「読み終えた本をみんなでシェア」452冊を寄贈|株式会社北海道日本ハムファイターズ(2021/12/13公開)
https://www.fighters.co.jp/news/detail/00003714.html

【目標11.住み続けられるまちづくりを】

株式会社一進堂
「1 Book for Asaka」

画像引用:CHIENOWA BOOK STOREで本を買って朝霞市に地域貢献「1 Book for Asaka」5月16日スタート|株式会社一進堂(2018.05.16公開,2021.12.20引用)
https://www.atpress.ne.jp/news/156217
※掲載許可をいただいています。

シンプルながらキャッチーでトレンドを押さえたロゴとキャッチコピーが目を引く本広告は、埼玉県朝霞市で創業75周年迎えた地域密着型の老舗書店である「CHIENOWA BOOK STORE」が行う寄付活動のビジュアルイメージです。
本取り組みは、本1冊、もしくは文房具1点の購入ごとに朝霞市へ1円を寄付をするという「CHIENOWA BOOK STORE」独自のプロジェクトとしてスタートしました。しかし今では「CHIENOWA BOOK STORE」のみならず、この取り組みに共感した地域の店舗や団体にも「1 for 〇〇」の取り組みが広がっています。HPではプロジェクトの趣旨や発起人であるCHIENOWA BOOK STORE・塩澤広一さんの想いを下記のように紹介しています。

「1 for Asaka」は地域の方に地域の店舗や会社を知って頂き、継続的な利用を通して地域活性化を図るプロジェクトです。この取り組みに参加する事業者は、例えば本屋であれば「1Book forAsaka(本1冊の購入で1円)」のように、「お客様が〇〇ご購入で〇〇円を店側が寄付」と決めて、朝霞市内で困っている団体に役立ててもらえるような「地産地消」を作る仕組みになっています。

チェーン店やネットでの通信販売は便利なので、殆どの方が利用していると思います。しかし、日々の生活の中で少しでも地域のお店を選んで買物をすることで、自分の街にお金が回り未来に繋がっていく…そんな『少し幸せなサイクル』をはじめてみませんか?

テキスト引用:1 FOR ASAKAとは?|NPO法人スマイルあさか(2021.12.24引用)
https://smile-asaka.com/project/1-for-asaka/

プロジェクトの趣旨や取り組みへの想いを端的に表すコピーと目に留まりやすいビビットな配色を起用している点が本広告最大の魅力。こうした表現を用いることで、社会貢献意識の高いミレニアル世代やZ世代に親和性の高いビジュアルに仕上がっています。「NPO法人スマイルあさか」HPでは、集まった寄付金がどのように役立てられているかも活動報告として掲載されています。

SDGsコミュニケーションの注意点

SDGsの取り組みを発信する際には以下の2点に注意しましょう。

@グリーンウォッシュやSDGsウォッシュになっていないか
グリーンウォッシュとは、実体がないのに環境に配慮しているように見せかけたり、実態以上に環境に配慮しているように見せかける、または不都合な事実を伝えず良い情報だけを伝えることを指します。SDGsウォッシュはそれに類する造語で、実態以上に社会や社会課題とのかかわりを連想させるコミュニケーションを意味しています。
こうした表現を行うと、消費者をはじめステークホルダー全体の信頼が失墜するとともに、企業価値も著しく下がってしまう為、注意が必要です。

A人権に配慮した表現をしているか
女性らしさ、男性らしさという言い方が問題視されるようになってきましたが、性別のみならず、人種、宗教、年代など、様々な立場の人々が存在することを前提とした発信が求められています。言葉本来の語源はどうなっているか、ステレオタイプな言い回しや差別的表現がなされていないか、公にする前にしっかりと確認しましょう。

SDGsコミュニケーション参考ページまとめ

SDGsにまつわる広告やSDGsコミュニケーションについて詳しいページをご紹介します。

●SDGsコミュニケーションガイド(PDF)|SDGsコミュニケーションガイド作成委員会
https://www.jaaa.ne.jp/wp-content/uploads/2018/09/59b89638fe5083a39bb2fcf883e56d06.pdf

●SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン|国際連合広報センター
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/

●SDGsピンバッジの公式オンラインショップ(英語)
https://shop.un.org/de/node/88091

まとめ

SDGsの広告事例と基礎知識について、ここまでお届けしました。

●企業がSDGsに取り組むことは、目標達成を加速化するために非常に有効であるとともに、企業にとってもメリットがある。
●消費者やステークホルダーに取り組みを発信する際には相手に応じて適切な方法・媒体を選択する必要がある。
●既にある事業をSDGsに結び付けることもSDGsの取り組みとして有効。また、ちょっとした工夫や寄付から始めることが、長期的に見たときに大きな影響力に発展することも。
●SDGsの取り組みを発信する際には、誠実な発信を心がける必要がある。

大企業はもちろん、中小企業の皆さんも、ぜひフットワークの軽さを活かした取り組みを進めましょう。

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