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> 4月4日は「あんぱんの日」!日本で生まれたパンの魅力を再発見
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パンといえばヨーロッパのものというイメージがありますが、日本発祥のパンも意外と多いんです。あんぱん、カレーパン、メロンパン…それぞれにユニークな歴史があります。今日は「あんぱんの日」に、日本生まれのパンの魅力を改めて見つめてみませんか? |
あんぱんの誕生と「あんぱんの日」
明治時代、日本におけるパンの存在はまだ一般的ではありませんでした。そんな中、「木村屋總本店」の創業者である木村安兵衛とその次男英三郎は、日本人の口に合うパンを作るべく試行錯誤を重ねました。西洋のパンは当時の日本人には固すぎたり、風味が馴染まなかったため、彼らは酒種発酵を用いた柔らかい生地を開発。これが、後にあんぱんとして知られるパンの原型となりました。
1875年(明治8年)、明治天皇が向島の水戸藩下屋敷を訪れた際に、この新しいパンが献上されました。日本の伝統的な甘味である小豆餡を包み、季節感を演出するために桜の塩漬けをあしらった特別仕様のあんぱんが提供されると、その上品な味わいが評判となり、広く知られるきっかけとなりました。この出来事を記念し、現在では4月4日が「あんぱんの日」として親しまれています。
その後、あんぱんは全国へと広まり、庶民の間で定番の菓子パンとなりました。単なる「洋風のパン」ではなく、日本の食文化に溶け込むよう独自の進化を遂げたことが、あんぱんの成功の鍵でした。現在も、さまざまなバリエーションが生まれ、粒あん・こしあん・白あんなど、地域や店ごとに個性的なあんぱんが楽しまれています。
日本発祥のパンたち
日本独自のアイデアから生まれたパンは、あんぱんだけではありません!
昭和初期に誕生したカレーパンは、カレーをパンで包み、揚げるという斬新な発想で人気を集めました。また、メロンパンは帝国ホテルの職人によって考案され、表面のビスケット生地が特徴的なパンとして広まりました。そして、シンプルながら奥深い食パンも、日本で独自の進化を遂げ、学校給食や日常の食卓に欠かせない存在となりました。 これらのパンは、日本人の食文化に根付きながら進化を遂げてきたのです。