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HOME  >  イメージナビMAIL  >  デザインの現場に必須! 世界的ベンダーMonotypeの定番欧文フォント
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Monotype

《 デザインの現場に必須! 世界的ベンダーMonotypeの定番欧文フォント 》

長年にわたり有名ブランドのロゴや雑誌タイトルなどを飾ってきた欧文フォント。街中やメディアで見かける著名フォントの多くが、世界的なフォントベンダー「Monotype」から提供され、多くのデザイナーに愛されています。

デザインポケットでは、膨大なフォントを擁するMonotypeライブラリからの商品取り扱いを随時拡大中。特に、名品・名作と呼ばれるフォントから優先してダウンロード販売しています。今回は、そのうちのごく一部、19の著名ファミリーについて詳しくご紹介。
お求めは、各商品説明の下にある製品名のリンクからどうぞ。

サンセリフ Sans-Serif

サンはフランス語で「無い」、セリフは文字先端の爪状または線状の出っ張り。つまり先端装飾がない書体のこと。19世紀前半に活字として登場し、20世紀に広く使われるようになる。

空港のサイン用としてデザインした書体を一般向けに発売する時にデザイナーの名前を冠したものです。それまでのサンセリフ体が機械的な感じを持っていたのに対し、人間的なバランスを持たせて新しいサンセリフの可能性を追求した画期的な書体です。CやSといった文字の巻き込む部分を少なくしてあるためコンパクトに組むことができ、しかも明るい印象です。
1977年にリリースされた最初のFrutigerの他、「次世代のFrutiger」を目指して2009年に全面改良されたNeue Frutiger (ノイエ・フルティガー) などがあります。

使用ブランドFendi (2010年)、Lufthansa航空

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Frutiger® Neue Frutiger®

最も汎用的なサンセリフ体で、ボールド体など19世紀グロテスクの粗削りな感じをかすかにとどめています。スイスの活字製造会社ハース社が20世紀半ばにNeue Haas Groteskと銘打って発売したものが原型で、のちに「スイス」のラテン名Helveticaにちなんで書体名をHelveticaに改めました。ハース社から権利を引き継いだライノタイプ社がウェイト間のデザインのばらつきをなくすなどデザイン的な改良をしたものが1983年発表のNeue Helvetica (ノイエ・ヘルベチカ) シリーズです。
そして2019年、近年のデバイス等での可読性を考慮しさらなるデザイン改良が施されたHelvetica Nowシリーズが発表されました。

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Helvetica® Neue Helvetica®
Helvetica® Now

DIN Next (ディン・ネクスト) はドイツの高速道路などに使われているドイツ工業規格の文字をペースに現代的なデザイン処理を施したライノタイプ社のフォントです。1と7、6と9に2種類の形があります。DIN Nextは売り上げ的にも近年まれに見るヒットだそうです。

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DIN Next™

Helveticaに比べて洗練された感じに仕上がります。FuturaやHelveticaなどの活字書体ファミリーが「付け足し」のようにして増えていったのに対して、書体の設計の段階から理論的なファミリー展開を考え、コンデンスやエクスパンデッドまで含めてシステムとしてデザインした近代的なサンセリフ体です。Linotype Universはフルティガー自身による改良版です。

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Univers® Linotype Univers®

洗練、近代的。幾何学的な字形ながらも、どこか人間味を感じさせます。Avenirは、フランス語で「未来」のことで、同じく「未来」の意味を持つFuturaに対する挑戦と言う意味を含んでいます。20世紀前半のドイツの活字には、ディセンダー部分に極端に短くするような制約があり、Futuraはその制約を受けてx-height (xハイト=小文字xの高さ) も小さいので読みやすくありません。これらの要素を取り除いても文字本来のプロモーションを取り戻し、また小文字 a は一階建てではなく二階建てにしてあるのが特徴です。改刻して2004年に発表されたAvenir Nextには、コンデンス体のファミリーがあります。

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Avenir® Avenir® Next

Futuraはラテン語で「未来」のことです。近代的、幾何学的な感じです。細いウェイトの大文字は古典的な骨格を持っているため、歴史関係のものによく使われています。ドイツのパウル・レナーが制作し1927年に発表されました。開発途中ではバウハウス運動の影響で奇抜な字形など実験的な試みもありましたが、無難なデザインの文字に落ち着きました。その後コンデンス体をはじめ様々なバリエーションがつくられています。

使用ブランドDolce & Gabbana、LOUIS VUITTON

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Futura®

大文字は堂々とした古典的な骨格を持っていて、どちらかというとイギリス風ですが、フランスなどでもよく見かけます。イギリスの工芸家エリック・ギルがモノタイプ社の依頼で制作した書体です。基本的な骨格はギルの碑文の書体デザインに相通ずるものがあります。イタリック体は独特の柔らかさを持っています。

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Gill Sans®

大文字小文字ともに古典的なプロポーションを持ったサンセリフ体。見出しのほか短めの本文にも向きます。ヘルマン・ツァップがイタリアの碑文の文字にヒントを得て制作しました。セリフはありませんが、印象は優美なローマン体なのでカテゴリー分けが難しいフォントでもあります。発売から約60年経った今もファッション関係など、繊細さや優雅さを表現する時によく使われています。2003年に発売されたOptima novaは活字時代のOptimaの改良版です。

使用ブランドLindt (リンツ・チョコレート) のパッケージ

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Optima® Optima nova®

セリフ Serif

先端に爪状または線状の出っ張り「セリフ」がついた書体のこと。古代ローマでこの様式の大文字が完成されたことからローマン体とも呼ばれる。

活字時代には「迷ったらカスロンで組め」と言われたほど応用範囲の広い書体です。アメリカの独立宣言書に使われた活字としても知られています。イギリスの活字製造者ウィリアム・カスロンが18世紀前半に制作した活字をもとにデザインしたフォントのうち、Caslon 540は見出し向き、Adobe Caslonは本文に向いた設計です。

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Adobe Caslon™ Caslon™ 540
ITC Founder's Caslon™

詩的、伝統的、柔らかい感じです。クセがないため応用範囲が広い、オールドスタイル・ローマン体の代表格です。ここに例として挙げるフォントはどちらも16世紀のフランスの活字製造業者クロード・ガラモンの活字をもとにしていて程よく古典的な感じを持ち、クセがなく読みやすいため書籍や雑誌などに見出しから本文まで使われています。

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Stempel Garamond™ Adobe Garamond™
Garamond #3 ITC Garamond™

フランスの活字製造者ファルマン・ディドが18世紀末から19世紀初期に制作した活字をもとにデザインされ、いわゆるモダン・ローマンの中では優美な柔らかさと女性的な感じを持つのが特徴で、オールドスタイル数字はまさにフランス風です。見出し用に Headline Roman など繊細さを強調したバリエーションがあります。

使用ブランドVOGUE

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Linotype Didot®

伝統、高貴さを感じさせます。特に英語や仏語の組版によく用いられます。イギリスの活字製造者ジョン・バスカービルが18世紀後半に制作した活字がもとになっています。バスカービルの書体は、当時のイギリスではなかなか受け入れられずに、むしろアメリカやフランスで多く使われましたが、今では堂々とした大文字などからイギリスを代表する書体デザインのひとつとして数えられます。Baskerville Old Faceは見出し専用、ITCのバージョンは書籍の本文などによく使われます。

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Monotype Baskerville™ ITC New Baskerville™
Baskerville Regular Old Face

洗練された感じのモダン・ローマン体です。イタリアの活字製造者ジャンバティスタ・ボドニが19世紀初期に制作した活字を参考にして、様々なメーカーによっていろいろな「Bodoni」書体が作られました。多くは見出し用に設計されています。

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Bauer Bodoni® ITC Bodoni™
Bodoni

古典的な骨格ながらも現代的な印象がある、最も汎用的な本文書体のひとつです。この書体デザイナーのヘルマン・ツァップはカリグラファーとしても有名で、この書体にはカリグラフィ的な要素が多く取り入れられています。発売されて半世紀以上が経った今もスタンダードなローマン体として書籍や雑誌の本文や見出しに多く使われています。イタリック体が特に優美であることから、化粧品や高級品の広告などによく使われています。

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Palatino® Palatino® nova
Palatino Linotype®

最も汎用的な本文書体。コンパクトで黒みが強く、特に小さいサイズでの本文に向いています。 イギリスの新聞「The Times」紙が、それまで使われていた細身の活字に代わる専用の新聞体を開発し、 1932年10月に紙面を一新しました。有名なスタンリー・モリスン監修のもとに設計されたこの書体はデジタル時代になっても人気が衰えません。「The Times」紙の制作に携わったライノタイプ社とモノタイプ社の両方が版権を持ち、ライノタイプ社からはTimesというフォント名で、モノタイプ社からはTimes New Romanというフォント名でリリースされています。

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Times® Times New Roman®

エジプシャン (一貫したストローク幅をそなえ、円形を基本にした書体スタイル) と呼ばれるものの中で最も成功した書体と言われています。

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Rockwell® Rockwell® Nova

高級チョコレートの「ゴディバ」は、少し前まではTrajanをロゴに使っていました。新しいロゴはセリフをなくしただけになっています。OpenTypeバージョンであるTrajin Pro (トレイジャン・プロ) には、小文字のキーにスモールキャップが入っています。CDジャケットに使われているTrajan。Trajanが似合う歌手になれば殿堂入りですね。映画「タイタニック」のタイトルもTrajanでした。歴史に残る作品にも合います。

使用ブランドGODIVA

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Trajan™

カッパープレート Copperplate

銅版に彫って書かれた銅版彫刻系の文字の様式。カッパープレートスプリプトやツパーレートゴシックなどがある。

画線の先端に少しだけセリフのようなものが付いています。銅版彫刻の際に画線の隅がきちんと見えるように角を強調して彫った名残を、デザインの要素として取り入れているのです。大文字だけでの書体で、小文字の代わりにひとまわり小さい大文字が入っています。

使用ブランドDEAN & DELUCA

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Copperplate Gothic

スクリプト Script

手書き文字の雰囲気が出るようにデザインされた書体のこと。「筆記体」ともいう。線がつながっているものと、いないものがある。

Zapfinoはデジタル書体の利点を生かし、今までにない奔放なデザインと多数のオルタネート文字を持った書体です。
そのアイディアをツァップ氏がライノタイプ社に持ち込んだ時、社長は単にツァップ氏に敬意を表す贈り物として書体をつくろうと考えて「発売はツァップ氏の80歳の誕生日に間に合わせるように」という命令を出しました。そして、その通り 1998年11月、ツァップ氏の80歳祝賀パーティーの席上で書体を収めた最初のCDが本人に手渡されたのです。Zaphinoは文字のバリエーションが極端に多く、個性の強い書体デザインのため、大きな売り上げは予想されていませんでした。しかし、発売されると「大人っぽく、あか抜けた、しかも伸び伸びした書体」と受け止められ、そのようなスクリプト体がほかになかったことから近年まれなヒットとなりました。
Zapfinoはヨーロッパでは頻繁に見かける人気の書体で、上品さと同時にリラックス感や大胆さが欲しい場面でよく使われています。伝統的なスクリプト体の大人っぽさは残しながらも、奔放な字形が歴史の重みや堅苦しさをうまく避けているのです。アップル社からの要請でMac OS Xに標準搭載されたことも人気に拍車をかけました。OS X搭載版は、1998年版を大幅に改良して東ヨーロッパ圏用の字種も拡張したバージョンです。そして、ライノタイプ社から2003年に発売されたZapfino Extra (ツァプフィーノ・エクストラ) は、そのOS X版をもとにさらに文字のバリエーションを増やし、OpenTypeの特性を活かして自動的に文字組が変化する機能もついています。ですから、現在3種類のZapfinoが存在することになります。

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Zapfino®

参考文献
タイポグラフィISSUE11 文字を楽しむデザインジャーナル 特集欧文書体を使いこなす (グラフィック社/2017)
欧文書体 その背景と使い方 (美術出版/2005)
欧文書体2 定番書体と演出法 (美術出版/2008)
Type & Typographers 欧文書体入門 (朗文堂/1992)

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