セティ1世は、高齢で即位した第19王朝初代の王である父ラメセス1世の遺志を受け継いで、積極的な遠征により領土を広げるとともに、各地に壮麗な神殿を築いてエジプトの力を諸外国に知らしめ、安定した治世で第19王朝の繁栄の礎を築きました。 |
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彼の葬祭殿の壁には「王名表」が刻まれ、古代エジプト王朝の歴史を現代へ伝える貴重な資料となっています。この王名表には、ツタンカーメンの父・アメンヘテプ4世からアイまで4代の王の名がなく、アマルナ革命以降の混乱の時代を歴史から抹消しようとしたものと考えられています。これによりツタンカーメンの名はほとんど知られず、彼の墓は盗掘の被害から守られました。 |
美術にも関心が高かったセティ1世は、神殿や墓に美しい彫刻や絵画を残しています。そして、この時代に完成された描写は「古代エジプト美術」様式の基礎となっています。 |
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